足利直義感状 下坂治部左衛門尉宛 1通

長浜市指定文化財
時代:建武3年(1336)
法量:縦31.8㎝×横38.9㎝
材質・技法:紙本墨書
長浜城歴史博物館蔵

   長浜市指定文化財「下坂家文書」で最も古い文書。
   足利直義あしかがただよしが下坂治部左衛門尉じぶざえもんのじょうに与えた感状で、1336年(建武3年)7月25日付。足利直義は、室町幕府を開いた足利尊氏あしかがたかうじの弟で、南北朝の内乱では兄の右腕として尽力した。
   本書では、近江国の「伊祇代宮いきしろのみや」(草津市片岡町付近)の合戦において、下坂氏の親類・新兵衛尉重宗しんべえのじょうしげむねが討ち死にしたことや、京都「法勝寺ほっしょうじ合戦」において弟の三郎貞兼さぶろうさだかねが傷を受けたことなど、下坂氏が足利方として奮戦したことを謝し、恩賞については追って沙汰する旨を伝えている。当時、建武新政後の内紛によって、足利尊氏と後鳥羽ごとば天皇の軍が京都周辺で戦闘を行っており、下坂氏はこの戦いにおいて足利方として参戦していたことが知られる。

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