下坂一智入道書置 下坂久左衛門宛 1通

長浜市指定文化財
時代:(年不詳)3月14日
法量:縦29.8㎝×横29.1㎝
材質・技法:紙本墨書
長浜城歴史博物館蔵

   下坂四郎三郎(晩年は「一智入道いっちにゅうどう」と名乗る)が子孫に浅井長政書状が下された経緯を語った文書。下坂四郎三郎は、「下坂氏由緒書」などによれば、二代目四郎三郎と同一で、名を正治まさはると名乗った。江戸時代から現代にいたるまで、下坂氏館に居住した下坂家の先祖にあたる人物と推定される。
   本書では、孫と推定される久左衛門に対し、浅井長政からの書状が小谷籠城中に得たものであること、このほかにも与えられた知行宛行状ちぎょうあてがいじょうがあったが、小谷城の山崎丸から清水谷きよみずだにを通って水之手に移った際、所持していた者が戦死したため紛失したこと、この長政書状だけは、四郎三郎が火うち袋(火うち石を入れる袋)に収め所持していたので無事であったこと、山崎丸へ籠城した際に千石を拝領したことなどを伝えている。

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