浅井長政書状 下坂四郎三郎宛 1通

長浜市指定文化財
時代:元亀3年(1572)5月17日
法量:縦14.3㎝×横36.6㎝
材質・技法:紙本墨書
長浜城歴史博物館蔵

   浅井家三代目の浅井長政あざいながまさが家臣の下坂四郎三郎正治しろうさぶろうまさはるに宛てた感状かんじょうおよび所領宛行状しょりょうあてがいじょう
   元亀げんき元年(1570)の姉川合戦後、諸勢力と連繋して信長包囲網の形成を促し、自らもその一翼を担い、信長を追い詰めていった長政であったが、やがて包囲網にほころびが生じ始める。天正てんしょう元年(1573)8月、信長に攻められた長政は、次々に支城を失い、頼みの朝倉氏も討たれ、ついには居城である小谷おだに城で最期を迎えることとなった。
   自らの運営を悟った長政は、小谷落城直前に家臣に対して感状を出しており、現在も湖北地域には何通か残されている。
   本書はそのひとつで、信長との戦闘のため小谷城に籠城していた下坂四郎三郎に対して、忠節への感謝として、御在所(下坂庄)公文くもん職と河毛次郎左衛門尉かわげじろうざえもんのじょう知行分を与える旨を伝える。本書により、下坂氏が下坂庄の地頭じとう職とともに、公文職も得ていたことが確認できる。

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