法然上人像 絹本著色 1幅

時代:室町時代(14~15世紀)
法量:縦102.9㎝×横80.9㎝
材質・技法:絹本著色
長浜城歴史博物館蔵

   下坂氏の菩提寺・不断光院に伝来した法然上人ほうねんしょうにん像。数珠を手繰った姿で描かれており、金戒光明寺こんかいこうみょうじ(京都市左京区)が所蔵する「鏡の御影みえい」と呼ばれる《法然上人像》と同じ系統の図像である。
   浄土宗の開祖である法然(1133年-1212年)は、平安から鎌倉時代の僧であり、いみな(授戒後に付けられる名前)を源空げんくうといい、房号ぼうごう(諱とは別につけられた名前)を法然といった。天台宗てんだいしゅう延暦寺えんりゃくじにて修行し、後に阿弥陀如来のいる極楽浄土ごくらくじょうど往生おうじょうするためには念仏を唱えることが重要であることを説いた。法然の弟子の一人には、浄土真宗じょうどしんしゅうの開祖・親鸞しんらんがいる。
   制作年は室町時代14~15世紀と推定される。不断光院は、観応元年(1350年)に天台宗から浄土宗へ改宗したと伝わっており、本像はこの時期から不断光院に伝わっていた可能性がある貴重な作例である。

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